大企業と中小企業の賃金格差について

2024/03/14

 今日は「営業」から少し離れて賃金について考えてみたいと思います。
  
 春闘の集中回答日であった昨日のニュースで、大手企業の賃上げについて満額回答が続出していると報道されていました。 物価高が続いているうえ、人材獲得競争も激化している状況なので、各労働組合の要求が高いのは理解できますが、企業側もこれに応えていますね。
企業によってその賃上げ率の差があるのは当然ですが57%が多そうですね。 中には2桁を超える企業もあるようです。 さらに組合要求を上回る回答とか、早期妥結とか・・・すごいですね。 上場クラスの企業平均では4%前後となるようです。
 
 では中小企業ではどうなのでしょうか。
日本商工会議所が2公表した中小企業の賃上げ動向調査によれば、2024年度に賃上げを予定している企業は61.3%と前年度より3.1ポイント増加したものの、そのほとんどの企業は業績改善が見られないが賃上げを予定、つまり防衛的な賃上げをしているとのことでした。
そして賃上げ率の見通しについては3%以上とする企業が36.6%と4割近くに達し、昨年度から3.1ポイント増加し、5%以上とする企業も1割(10.0%)だそうです。
 
 でもこの賃上げが「防衛的」、つまり人財確保のための手段であり業務改善が見られないのであれば経営は苦しくなっていきます。 ではどうすればよいでしょう? 利益確保のための対策であれば新規顧客の獲得による売上増加であり、人材確保・定着のための対策であれば「心理的安全性」と「キャリア安全性」の向上です。
 
 「心理的安全性」とは組織の中で自分の考え方、意見、気持ちを誰に対しても安心して発信できる状態のことをいいます。 一方「キャリア安全性」とはこの組織にいて成長できるのか、他の部署や会社に行ったら通用するのか、他の会社にいる友人などと比較していろいろな面で劣っているのではないか、などといったキャリアに関する不安を無くすということです。 どちらも現代の企業経営では欠かせないものです。
 
 賃金は従業員にとってとても重要な労働条件ですが、そこだけに目がいってしまうと逆に経営危機が訪れます。 少子高齢化の現代では賃金とともに取るべき施策はたくさんあります。 自社は何をしていくべきなのか、深く考えさせられますね。
 
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「信頼営業力構築コンサルタント」
株式会社かなけん 金澤 健二
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